第19回 波止釣り安全知識 2(応急措置について)

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第19回目の波止釣り講座は、事故やけが等に関する応急措置についてのお話をさせて頂きます

応急措置とは、あくまで緊急の措置であり治療ではありません。そのため、応急措置をほどこした後は、速やかに専門医による手当てを受ける必要があります。また、釣り場はへんぴな場所が多く、事故を通報してから救急車が到着するまでには時間がかかることもあります。応急措置の知識を身につけておくことは、釣り人にとって非常に大切なことです。万が一の釣り場での事故に備え、落ち着いて対処できる知識を持つようにして下さい

~海中転落事故の場合~

1.落ちた人を発見したら

・大声や笛などで近くにいる人たちに事故が発生したことを知らせる。

・転落者の近くに浮くものを投げる。(クーラーなど重いものは、転落者の頭にぶつけないように注意)

・転落者を見失わないようにする。(専属の見張り役をおく)

・転落者に対し、安全に上陸できる場所を指示する。

・救助船が接近したら、転落者のいる場所へ誘導する。

・転落者を救助したら救助機関(118番)に通報するとともに人工呼吸等の応急措置を施す。

 

なお、救助に際しては、1.5~2リットルのペットボトルを活用して下さい。この容器に水を6分の1くらい入れた状態でしっかりとフタをしめます。そして、ボトルの首部分にロープを結び付けておくと、救助用ロープとして、人がおぼれているポイントまでスムーズに投げることができます。

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意識がなく、呼吸や脈もない場合は直ちに救急車を要請し、到着するまでの時間は、心肺蘇生に努めます。心肺蘇生とは、気道を確保しての人工呼吸及び心臓マッサージを行うことを言います。

人工呼吸と心臓マッサージの方法について

2.自分が落ちてしまったら

・大声をあげたり手を振ったりして、付近の釣り人などに海中へ落ちたことを知らせ救助を求める

・浮力の維持に努める

・沖に流されてしまったら落下地点の方に向かって泳ぎ出さないで、付近の様子や陸上の人たちの指示を聞いて上陸地点を決める。

万が一、ライフジャケットなしで転落してしまった場合は、落ちたらしばらくじっとしていること。するとやがて少しづつ浮いてくるはずです。顔が浮けば周囲を見渡し、浮いているものを探します。首のところがしまっている服なら空気が残って浮きやすくなるので服は脱がない方がよいでしょう。(衣服のチャックをしっかり締めれば、空気がたまりやすくなります)

なお、渡船から落ちた時は、スクリューに巻き込まれないよう、船尾から極力離れることです

 

~ケガをした場合~

 1.外傷

砂や泥が傷口に付着している場合は、きれいな水で洗い流した後、消毒液を塗布し、バンドエイドまたは清潔なガーゼにより手当てをして下さい。傷が深い場合は、帰宅後、医師による手当てが必要です。なお、出血が激しい場合は、傷口の上から清潔な布(なければライターであぶって殺菌したハンカチ、バンダナなど)をしっかりと押し当てて、直接圧迫法により止血します。また、動脈からの出血により、直接圧迫法が効かない時は、直接圧迫法とともに傷口より心臓に近い動脈を圧迫して止血します。出血が激しい場合は救急車を呼び、一刻も早い医療機関への搬送が必要です。

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ハンカチの殺菌

 

2.ねんざ・脱臼・打撲

傷がある場合は、前記の要領で手当ての後、患部を固定し、速やかにアイシング(氷水等で冷やす)をして下さい。腫れのひどい時は、医師の診断を受けて下さい。特に頭部を打撲した場合は、軽症でも必ず医師の診断を受けて下さい。また、背中、頚部、腹部等の負傷の場合でも、身体の重要な器官に近いため、早急に医師の診断を受けるようにして下さい。

 

3.骨折

判断がつきにくいため、疑いのある場合はすべて骨折として扱います。傷がある場合は、前記の要領で手当ての後、副木など固いもので患部を固定します。そして、一刻も早く医師の診断を受けて下さい。

 

~釣り針が刺さった場合~

釣り針の事故で最も危険なのがソルトルアーフイッシング等でのキャスティング時に針が刺さる場合です。特に、ルアーの針(フック)は大型で軸が太いため、目や顔の一部分などに引っ掛かれば大ケガをします。また、キャスティング時は、瞬間的にスピードがのっているので非常に危険です。そのため、自分がキャストする時は、必ず前後左右に人がいないかどうかを、確認することです。また、周囲にキャスティングしようとしている釣り人を見かけたら近づかないようにしましょう。万が一の事故に備え、目を保護するためにサングラスをかけることも効果的です。

また、釣り針は魚が掛かった時に、はずれないようにするため、「カエシ」というものがついています。「カエシ」の無い釣り針であれば問題ありませんが、無理に抜こうとするとかえって傷口を大きくすることになります。刺さった釣り針をはずすには、ペンチ等を使って針軸の根元部分を切断し、カエシ部分をつまんで引き抜きます。また、針にはサビやドロがついている場合が多いので、傷口は必ず消毒して下さなお、顔などに刺さった場合は抜かないで、そのまま病院へ直行して下さい。

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~熱射病の場合~

真夏の炎天下で釣りに熱中していると、脱水症状を引き起こし、やがて熱射病になることがあります。もし、熱射病になってしまったら冷水などで頭部をすぐに冷やすこと。なお、意識障害を起こしている場合は、すぐに救急車を呼んで下さい。

熱射病を予防するには、つばの広い帽子をかぶり、風通しのよい長袖シャツと長ズボンを着用し、肌を長時間露出しないことです。併せて、スポーツドリンクによる電解質を含んだ水分を補給することが効果的です。

-虫に刺された場合

蚊に刺されないようにするためには防虫スプレーを使うとよいのですが、毛虫やハチなどには効果がありません。蚊やブヨに刺された場合は、抗ヒスタミン軟こうかステロイドホルモン軟こうを塗りま毛虫に刺された場合は強い痛みを伴います。毒針を取り除き患部を水洗いしてから前記の軟こうを塗っておきます。蜂に刺された場合も、強烈な痛みを伴いますので、毒針を取り除いてからステロイドホルモン軟こうを塗ります。スズメバチやクマバチ等に頚部や頭部を刺された時は、生命にかかわるため、すぐに救急車を呼ぶこと

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※落雷及び毒魚による事故への対処法については別途解説いたします。