第1回 波止(防波堤)釣りを始めよう!

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~はじめに~

いつも、波止釣りスクールをご覧頂きましてありがとうございます。
これから波止(防波堤)釣りを始めてみようとお考えの方、最近波止釣りを始めたけれど全然釣れない、釣ったことがないといった方はこの連載を読んで下さい。必ず釣れる技術と知識を習得していただけること間違いありません。

波止釣りの人気の秘密は、何といっても気軽にブラッと行けて遊べるというところにあります。また、磯釣りや鮎釣りのように高価な道具や装備も必要ありません。釣り場もみなさんが住んでおられるところから比較的近くに存在しているとおもいますので、多額の小遣いを費やすことなく楽しめます。
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波止釣りは足場の良いポイントが多いため、安全知識やマナーさえしっかり認識していただければファミリー、カップル等どなたでも始めることができます。また、波止釣りは、難しいテクニックも必要ないので、海釣りの入門には最適だと思います。

そして、実際に釣り場へ行ってみて、魚を掛けた時の手応えというものを感じてみて下さい。今まで釣りというものを知らなかった方にとって、そこでは何とも言いがたいワクワクした気分が味わえるはずです。また、時と場合によっては思わぬ大物(1メートル近いスズキや50センチを超えるクロダイなど)と出会うチャンスもあります。
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さあ、この連載を最後まで読んでいただければ
あなたも「波止釣りの達人」になっていただけるはずです。

それでは、波止釣りについての具体的な解説に入りたいと思います。

1.波止(防波堤)釣りとは

海岸のいたるところには、さまざまな構造物が作られています。防波堤というのは停泊する船の安全を守るためにコンクリートや石で作られた、文字どおり波を防ぐ構造物であり、港を囲むように岸から突き出しています。また、防波堤には、湾全体を大きな波から守るため沖合いに作られた堤防(一文字という)やテトラポッド(波をやわらげるブロックのかたまり)を積み上げた堤防や船を着岸させる荷役のための岸壁といったものがあります。このような波が穏やかで、比較的安全な場所から手軽に楽しめる釣りを波止(防波堤)釣りといいます。
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波止釣りはビギナーが初めて釣りを試みる時、最も安全に始められる釣りのひとつであるため、全国釣り人口約3000万人の中でもかなりの割合を占めていることとおもいます。しかし、その一方、都市圏における波止釣りでは、マナーを知らない釣り人が多数押しかけるため、水質汚染やゴミ放置の問題が深刻化しつつあります。

ちなみに、防波堤や岸壁は自治体の港湾局などによって管理された公共施設の一部であり、決して釣りの目的のために作られたものではありません。そこで釣りをすることは、黙認するという立場が取られていることも承知しておいて下さい。そのため、事故を起こして防波堤の管理者や地元の人たちに迷惑をかけるということのないよう、充分注意のうえ行動して下さい。また、造船所や工場などの敷地内に存在する岸壁がありますが、ほとんどの場合立ち入りが禁止されているため、釣りをすることはできません。柵を飛び越えて無断で侵入する釣り人もいるようですが、このページを見ている方は絶対にそのようなマネはしないで下さい。この件に関しては、連載期間中の「波止釣りのルール・マナー編」で詳しく解説いたします。
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2.波止(防波堤)の種類と構造について

傾斜防波堤

この防波堤は基盤に捨て石と形の異なる捨てブロックを使い積み重ねたものです。現在、傾斜防波堤の多くはこの構造を用いており、全国各地の小さな漁港でよく見られます。また、この構造は基礎部分が傾斜しているため、波の力を一番強く受けるのは水面近くよりも上の部分です。したがって、このタイプの防波堤は波に十分注意する必要があります。

直立防波堤

この防波堤は海底から直立し、ほとんど垂直に近い壁のため、波の力を直角に受け止め、はね返す形になっています。この防波堤は、フタのないコンクリート製の箱のようなものを海底に沈め、内部の空洞に石などを詰め、防波堤上部に大型のコンクリート(ケーソンという)でフタをします。このような構造の直立防波堤を一般的にケーソン波止と呼んでおり、海底地盤がよほどしっかりしていないと設立することはできません。

この構造は底(基礎部分)ぎわの部分が潮流や波の力でえぐられやすいので、それを防止するためにテトラポッドが沈められ、絶好の魚の棲み家となります。

また、ケーソン波止には、消波効果を高めるため防波堤の沖側面に櫛状のすき間を取り入れた、「スリット波止」と呼ばれるものもあり、魚が身を隠すには最適な空間のようです。

混成型防波堤

傾斜型と直立型の中間の構造をもつ防波堤です。現在、ほとんどの港の防波堤がこの構造になっています。捨て石などで基礎をつくり、周囲をブロックなどで固めておいてからその上にケーソンを置き、さらに防波堤の沖側にテトラポッドを沈め、波を砕けさせるようにして防波堤の港側は波のない静かな状態に保つようにしてあります。沖側は、テトラポッドが沈められているのでたくさんの魚がついていますが、根ガカリ(海底に沈んでいる障害物などに針やオモリが引っ掛かってしまうこと)の確率が高くなります。一方、港側はテトラポッドなど障害物となるものはほとんど沈められていないので、根ガカリの確率は少ないのですが、沖側に比べると魚はあまり着いていません。

セル護岸の防波堤

このタイプの防波堤は、近年の埋め立て地によくみられ、鉄の矢板(土砂くずれや浸水を防ぐために、構造物の土台周囲などに打ち込む板状のくい。)を打ち込み、内側に土を盛り、外側に捨て石を入れ、その上にコンクリートが置かれた構造となっています。関西では「セル石波止」と呼んでいます。

以上、第1回目の講座では、波止釣りの楽しさ、波止の種類と構造、対象魚の紹介について、解説させていただきましたが、お分かりいただけたでしょうか?

なお、次回は、波止釣りに行く計画と準備について説明させていただきますので、楽しみにお待ち下さい!